マカに含まれる「亜鉛」の働き

マカに含まれる亜鉛の働き

マカは滋養強壮や体力回復、精力UPなどの効果があるとして、栄養ドリンクや精力剤などにも使用されています。
マカの優れた効果は、マカに含まれる豊富な栄養にあります。
マカのパワーを支えている栄養の一つが「亜鉛」です。

ミネラルの一つである亜鉛は、骨、内臓、皮膚など体を構成する重要な栄養素です。
また、亜鉛はたんぱく質の合成を促す働きもありますので、健康を維持するためには欠かせません。
亜鉛が不足すると「亜鉛欠乏症」となり、食欲不振や体調不良、味覚障害、貧血、脱毛症、皮膚老化を招く恐れがあります。
亜鉛は体内でつくられませんので、日常的に亜鉛を摂取することが大切です。
さらに、健康を維持するだけでなく、亜鉛を摂取することで様々な効果が期待できます。

亜鉛に期待される効果

免疫細胞の強化

亜鉛はたんぱく質を合成、分解したり、DNAの合成に必要な酵素としても働きます。
たんぱく質は骨、筋肉、内臓、肌、身体のほぼ全ての構成材料となりますので、亜鉛が不足してたんぱく質の合成が滞ると全身に影響を及ぼします。
亜鉛を摂ってたんぱく質の合成を促すことで、健康を維持します。
また、亜鉛は傷ついた細胞を修復するサポートをしたり、免疫細胞を活性化して細菌やウイルスへの抵抗力を高めたりすることで、免疫細胞を強化します。
免疫細胞が強化されることで、免疫力UPが期待できます。
免疫力が上がることで、風邪やインフルエンザ、様々な病気にかかるリスクを下げます。

傷の治癒力UP

人の皮膚は傷ができると、傷ついた部分の細胞分裂が活発になることで傷を治癒します。
この細胞分裂が行われる際に必要な酵素に亜鉛が欠かせませんので、亜鉛が不足すると傷の治りが遅くなります。
実際に、亜鉛を経口摂取された人は傷の治癒期間が短縮されたという研究結果もあります。

新陳代謝を活性化

亜鉛は細胞の新陳代謝を活発にする働きがあります。
新陳代謝が活発になると、様々な健康効果が期待できます。
例えば、新陳代謝が活発になると血液循環が良くなりますので、冷え性やむくみの改善に効果的です。さらに、全身の血行が良くなることで筋肉の強張りが解けますので、肩こりや腰痛も緩和します。
また、新陳代謝が活発になると内臓の働きも活性化されますので、胃の消化活動や腸のぜん動運動が活発になり、便通が良くなります。
さらに、新陳代謝が活発になると肌のターンオーバーも正常化しますので、シミやそばかす、ニキビなどができてしまっても古い細胞から新しい細胞に生まれ変わるサイクルが正常であればシミやそばかすが薄くなったり、ニキビの治りが早くなったります。
常に新しい皮膚細胞でいられるということは、うるおいやハリのある美しい肌をキープすることにも繋がります。

酸化ストレスを軽減

活性酸素とは

体内に入った酸素の2%は活性酸素に変化するといわれています。
本来、活性酸素は体内に侵入してきた細菌やウイルスを攻撃してくれる働きを担っているのですが、激しい運動や紫外線、ストレス、喫煙などの要因によって体内で過剰に発生すると、健康な細胞までも攻撃します。

酸化ストレスとは

活性酸素によって健康な細胞が酸化すると、様々な弊害が生じます。
例えば、活性酸素が過剰に発生すると肌細胞はメラニン色素を生成します。
メラニン色素が色素沈着するとシミやそばかすの原因となりますので、大量の活性酸素によってターンオーバーでは追いつけないほどのメラニン色素が作られると、色素沈着してシミやそばかすとなります。
また、活性酸素によって健康な細胞が酸化すると、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなど、肌のうるおい成分が破壊されますので、しわやたるみを悪化させます。
さらに、活性酸素は脂肪と結びつく性質がありますので、コレステロールや中性脂肪と結合することで「過酸化脂質」という刺激物をつくります。
過酸化脂質は毛穴の黒ずみの原因となるだけでなく、血管内に血栓をつくりやすくして動脈硬化を悪化させます。
このように、活性酸素によって生じる弊害を「酸化ストレス」といいます。

亜鉛は抗酸化酵素の材料

体内には増え過ぎた活性酸素を除去するSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)という活性酸素除去酵素が存在します。
亜鉛はSODの構成成分ですので、亜鉛を摂ることで抗酸化作用を強化し、酸化ストレスを軽減します。

抜け毛、薄毛の予防・改善

髪の毛の90%以上はタンパク質で構成されています。
髪の毛のタンパク質はケラチンと呼ばれています。
このケラチンを構成しているのは18種類のアミノ酸なのですが、これらを合成する際に必要なのが亜鉛なのです。
つまり、亜鉛が不足するとケラチンが合成できなくなり、新しい髪の毛が上手く生えてこなくなります。
また、亜鉛は髪の毛の表面をあらゆる刺激から保護する「キューティクル」の生成もサポートしていますので、亜鉛が不足すると髪の毛の質が低下します。
亜鉛を摂ることで、髪の毛の生成を促すだけでなく、髪の毛の質を維持します。
さらに、亜鉛は抜け毛や薄毛の原因となる「5aリダクターゼ酵素」を抑制する働きもありますので、亜鉛を摂ることで抜け毛や薄毛の予防にも繋がります。

生殖機能の維持

ホルモンとは人の体内で分泌される分泌物で、主に生殖機能の維持や血圧の調整などを担っています。
亜鉛は性ホルモンの分泌に深く関わっています。
とくに男性の前立腺には高濃度の亜鉛が含まれており、性ホルモンの合成や精子の生成など重要な働きを担っています。
このことから、亜鉛が不足すると性欲が低下したり勃起障害となるリスクが上がります。
亜鉛が不足すると生殖機能に影響を及ぼすのは男性だけではありません。
亜鉛は、女性の子宮や卵巣にも多く含まれており、ホルモンバランスを整える働きもあります。
ですから、亜鉛が不足すると子宮や卵巣の機能が低下したり、ホルモンバランスが崩れて月経不順やPMSなどのリスクが上がります。
亜鉛を摂ることで性ホルモンを正常に維持することは男性にとっても女性にとっても大切なことです。

糖尿病の予防・改善

生活習慣病の一つである「糖尿病」は、血糖値を調整するインスリンの働きが低下することで、糖代謝が正常に行われないことで生じます。
糖代謝が正常に行われないと、血管内には糖が蓄積されて、血糖の高い状態が続きます。
この状態を長く放置すると、高血糖となり糖尿病へと悪化してしまうのです。
糖尿病を予防・改善するためにはインスリンの働きを正常にすることが大切です。
亜鉛はインスリンの原料ですので、亜鉛が不足すると血糖値が調整できなくなったり、インスリンの分泌が乱れたりします。
亜鉛を摂ることで、インスリンの働きを正常に維持します。
さらに、高血糖になると血管内に活性酸素が発生するのですが、亜鉛は活性酸素を除去する酵素の材料でもありますので、活性酸素の除去にも貢献します。
このような働きから、亜鉛は糖尿病の予防・改善に期待できます。

うつ病の予防

うつ病の原因は自律神経の乱れにあると考えられています。
自律神経の乱れる要因に亜鉛不足があります。
というのも、亜鉛は心身を安定させる神経伝達物質「セロトニン」の分泌をサポートする働きがあります。
セロトニンは嬉しい気持ちや幸福感をもたらすことから、幸せホルモンとも呼ばれています。
抗うつ薬にはセロトニンの分泌を促すものもあることから、うつ病を治すためにはセロトニンの分泌が欠かせません。
セロトニンはビタミンB6やトリプトファンなどを材料に作られるのですが、これらの合成の際に亜鉛が必要となります。
亜鉛を摂ってセロトニンの分泌を促すことで、うつ病を予防・改善へと導きます。

マカで亜鉛を摂取

このように、マカに含まれる亜鉛には様々な健康効果が期待されています。
サプリメントなどで亜鉛だけを摂るよりも他のミネラルやアミノ酸などが含まれたマカで亜鉛を摂ることで、亜鉛が持つ効果をより高めることができます。
亜鉛不足の方や、亜鉛を摂取したい方は、亜鉛に相乗効果をもたらす様々な栄養素がバランス良く含まれたマカの摂取をおすすめします。

関連コラムcolumn